ゲシュタルト療法におけるドリームワークとは
ゲシュタルト療法におけるドリームワークは、夢を自己理解のための重要な手がかりと考え、夢の中の登場人物やシンボルを通じて自分自身の内面を探求する方法です。フロイトやユングの夢分析と異なり、ゲシュタルト療法では夢を一方的に解釈するのではなく、夢そのものを「体験」し直すことで気づきを得ることに重点を置きます。
フロイトやユングの方法との違い
1. フロイトの夢分析
フロイトは夢を無意識の抑圧された欲望や葛藤の表現とみなし、夢の内容を象徴的に解釈することでその背後にある無意識を明らかにしようとしました。夢の解釈は主にセラピストの専門知識に基づいて行われます。
2. ユングの夢分析
ユングは夢を個人的な無意識だけでなく集合的無意識の反映とも捉え、夢の中のシンボルを深層心理の普遍的なテーマや自己実現のプロセスと関連づけました。
3. ゲシュタルト療法のドリームワーク
ゲシュタルト療法では、夢を解釈するのではなく、夢の内容を「再演」し、夢の中の要素に自分自身を同一化させます。夢の中の登場人物や物、シンボルなど、すべての要素が自分自身の一部であると考え、それぞれに声を与えたり、動きをつけたりしてその意味を体験的に探求します。
ゲシュタルト療法のドリームワークの進め方
1. 夢を語る
夢の内容をセラピストの前で詳細に語ります。この際、夢を現在形で語ることで、夢を再び体験する感覚を強めます。
2. 夢の要素の特定と役割の付与
夢の中の登場人物や物、風景、感情など、あらゆる要素を特定し、それぞれを自分自身の一部として捉えます。それに役割を与えることで、それぞれの視点や感情を深く理解します。
3. 同一化と再演
各要素になりきり、その視点から話したり動いたりします。たとえば、「窓」になりきって、「私はこの部屋と外の世界をつなぐ存在だ」と表現することもあります。
4. 対話の創造
夢の中の異なる要素同士で対話を行います。たとえば、夢に登場する怒っている犬と、それを見て怯える自分が対話をすることで、内面的な葛藤や気づきを得ることができます。
5. 気づきと統合
再演や対話を通じて得た気づきを振り返り、どのように現実の生活や自己理解に結びつくかを探ります。夢の内容を単なる過去の出来事としてではなく、現在進行形の自己のプロセスとして捉えることが重要です。
フリッツ・パールズが語る夢の本質
フリッツ・パールズは夢について次のように述べています。
> "Dreams are the royal road to integration." (夢は統合への王道である)
彼は、夢を解釈されるべきものではなく、再び生きられるべきものであると考えました。この考え方は、夢を通じて自己の断片化された部分を再統合することを目指したゲシュタルト療法の基盤となっています。
ドリームワークによって得られるもの
1. 自己の統合
夢の中のさまざまな要素を自分自身の一部として受け入れることで、内面的な統合感が得られます。
2. 気づきの向上
普段は意識していない感情や欲求、葛藤に気づき、それを現実生活での行動や選択に活かすことができます。
3. 創造的な問題解決
夢の要素を再演する過程で、新しい視点やアイデアが生まれ、現実の課題に対する創造的な解決策が見つかることがあります。
4. 感情の解放
夢の中で抑圧されていた感情を体験的に表現することで、感情が解放され、心理的な軽さを得られます。
5. 深い自己理解
夢はしばしば、普段は気づいていない自己の深い部分を反映しています。ドリームワークを通じて、自分自身をより深く理解することができます。
ゲシュタルト療法のドリームワークの魅力
ゲシュタルト療法のドリームワークは、夢を単なる分析対象ではなく、自己探求と成長のための生きた体験として捉えます。この方法は、夢を通じて自分自身と対話し、現実の中で新たな一歩を踏み出す手助けをしてくれるでしょう。夢を持つすべての人にとって、このアプローチは新しい発見と可能性をもたらしてくれるものです。
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冬の寒気が身にしみる頃となりました。皆さまお障りなくお過ごしでしょうか。
1月のゲシュタルトセラピーのご案内です。
前回は、「フォーカシング入門」をテーマに、皆で「アニクロ」というワークを体験しました。それから、いつものように、身体をゆるめる運動をした後、ゲシュタルトセラピーのワークも行いました
今回は、新年恒例の「夢のワーク」を行いたいと思います。初夢でもいいですし、いつもみる夢でも、記憶に残る夢でも構いません。ゲシュタルトセラピーの技法を使って、一緒に夢にアプローチしてみませんか? また、引き続き、身体をほぐすワークも行います。
お気軽にご参加ください。
参加者それぞれの物語を持ち寄って、いろんな色を感じながら一枚の絵を描くような時間にできたらいいですね。
ご参加お待ちしております。
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ゲシュタルト療法とは?
他の心理療法のように過去に原因を求めたり分析や解釈をせず 人間としての存在に重点をおいて「今、ここ」で起きていることに 焦点を当てるところに特徴があります。
ゲシュタルトセラピーでは、 「今、ここ」でのあなたの自然な「気づき」に 焦点を当てることを通して、 本来の自分自身を取り戻していきます 安心・安全な場所でゆったりと、あるがままの自分と出会う そんな幸せをグループで味わってみませんか。
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こんな人におすすめです
・職場の人間関係で悩んでいる方
・子育てや結婚生活がうまくいかないと感じている方
・自分を責めることを止めたいと思っている方
・恋愛に悩んでいる方
・何かわからないけど、モヤモヤしている方
・今後の人生について、ゆっくりと考えてみたい方
2025年1月19日(日) 13時00分~17時00分(受付開始12時50分)
参加費:1,000円
場所 京阪神間(申込時にお伝えします)
主催: ゲシュタルト療法サークル ゆるゲシュ
https://yuru-gestalt.blogspot.com/
ゲシュタルト療法のトレーニングを受けた仲間が中心となって、 皆がゆったりと集う場を作っています お申込、お問い合わせはこちらのアドレスまで。
yuru.gestalt@gmail.com
*注意点 心の病などで医療機関を受診されている方は、 かかりつけ医の参加許可を受けた上でお申し込みください。 本会は治療目的ではなく、自己成長のために行われます。
*1月以降も月に1回のペースで開催します。1月は無理だけど、その後の予定が知りたいという方も、上記アドレスまでお問い合わせください。
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