『キレる私をやめたい』——DV加害者になってしまう苦しみと回復の物語
「私は本当にダメな人間なんだ…」
そう自己嫌悪に陥るほどの怒りの爆発を、あなたも経験したことはありませんか?
『キレる私をやめたい 〜夫をグーで殴る妻をやめるまで〜』(著:田房永子)は、家庭内で理性を失い、怒りに飲み込まれてしまう女性の苦悩と、その回復の過程を描いたコミックエッセイです。
著者は、ふだんは温厚で人との争いを避ける性格。しかし、なぜか夫に対してだけは激しくキレてしまう——暴言を吐き、泣き叫び、時には手をあげることも。そして後悔と自己嫌悪のループに陥る。
そんな日々から抜け出すため、著者が向き合ったのは、自分の「怒りの正体」でした。
https://ddnavi.com/kireruwatashi/
なぜ「キレる」のか?
「キレる私」をやめたくてもやめられないのは、単なる性格や意志の問題ではありません。
著者は、自分が幼少期に受けた家庭環境の影響が、自分の感情コントロールに深く関わっていることに気づいていきます。
この作品では、「キレる」という行動がどこから生まれてくるのか、その背景を掘り下げながら、どうすれば怒りの悪循環を断ち切れるのかを探っていきます。
ゲシュタルト療法を活用した回復のプロセス
著者が怒りの爆発を克服する過程では、ゲシュタルト療法の手法が重要な役割を果たします。
1. 過去の未完結な感情に気づく
怒りの奥にあるのは、過去の抑圧された感情です。
特に「エンプティ・チェア」を使ったワークでは、自分の中にある「怒りの対象」と対話し、未完了の感情を整理することで、怒りのエネルギーを新たな形で統合していきます。
2. 「図と地の反転」で新しい視点を得る
ゲシュタルト療法では、「今・ここ」で何が起こっているのかに焦点を当て、自分が固定的に捉えている思考や感情のパターンをゆるめることで、新しい視点を生み出します。
例えば、「夫が悪い」と思い込んでいた気持ちの背後には、「本当は助けてほしい」という未言語化された感情が隠れていることに気づくことができるのです。
3. 怒りのエネルギーを適切に表現する
「キレる」ことを我慢するのではなく、怒りを適切に表現する方法を学ぶことで、家族との関係が少しずつ変化していきます。
ゲシュタルト療法では、怒りを抑圧するのではなく、「どう表現すれば自分にとっても相手にとっても健全か?」を探るプロセスを大切にします。
こんな人におすすめ
夫や子供に対して、理性を失うほど怒ってしまい、後悔している人
怒りをコントロールしようとしても、つい爆発してしまう人
幼少期の家庭環境が現在の怒りにどう影響しているのかを知りたい人
ゲシュタルト療法を活用した「怒りの理解と解放」に興味がある人
グループカウンセリングとの関連
『キレる私をやめたい』に共感した方は、ぜひゲシュタルト療法を取り入れたグループカウンセリングにも参加してみてください。
ここでは、怒りを抑え込むのではなく、怒りの背景を探り、新しい選択肢を見つけることを目指します。
怒りに支配されるのではなく、自分自身と向き合うことで、穏やかな生活を取り戻していきましょう。
ゆるゲシュ(グループセラピー・カウンセリング)のご案内
「ゆるゲシュ」は、神戸市や芦屋市、西宮市、大阪などの阪神間の会場で、だいたい月に一度ほど開催しているグループセラピー(カウンセリング)です。
ゲシュタルト療法のオープンワークショップという形をとっていますので、どなたでもお気軽にご参加いただけます。
ファシリテーター(カウンセラー)は、日本ゲシュタルト療法学会が認定するトレーニングコースを修了したメンバーが行います。医師や臨床心理士・公認心理師、産業カウンセラー、看護師、教師など、さまざまな背景をもったファシリテーターがグループをリードします。
「ゆるゲシュ」のページに毎月の案内が掲載されていますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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